メルマガの到達率を上げるために発行者が知っておくべき5つのこと

中島たくみち

登録者3万人超のメールマガジンの執筆&運用を任されていたことがあります。当時は失敗をいくつもやらかしましたが、おかげで大規模メール配信のノウハウを貯めることができて貴重な経験になりました。

サイト運営と違ってメルマガについての情報は少ないので、僕の知ってる範囲でメルマガを発行するときに最低知っておくべきことをまとめてみます。

これからメルマガを始める方、もしくはすでにメルマガを発行しているけど到達率が気になっている方は参考にしていただけると幸いです。

1. 到達率は「レピュテーション」で決まる!

到達率に最も影響するのは「レピュテーション」…つまり、メール送信サーバーや送信者アドレスのドメインへの評価です。

例えば、新規ドメインでサイトを立ち上げてすぐは、なかなか検索結果の上位に表示されませんが、サイトへの評価が高まってくると上位に表示されるようになります。基本的にはそれと同じようなものだと思ってもらえればOKです。

新しいサーバーから急に大量のメールを配信されたら、メールサービス側からは怪しいと判断するしかありません。そうではなく、SPAMを送らないサーバーだと評価を高めていく必要があります。これには時間がかかります。

メールサービスによって基準が違うので、レピュテーションを明確に数字化することはできませんが、以下のSendGridの記事で確認する方法が紹介されています。

2. 固定IPと共用IP、結局どっちがいいの?

レピュテーションについて理解したところで、次はメール配信サービスを選ぶときに、固定IPと共用IPのどちらが良いのか?という話に進みます。

少し前であれば、専用の配信サーバーを用意して固定IPでメルマガを送信したほうが、他のユーザーの影響を受けないので良いと言われることもありました。

ですが、現在は新規IPのレピュテーションを高めて大量配信できるようにするのはかなり難しくなっています。そのため、すでにレピュテーションの高まった共用サーバーを保持しているメール配信サービスを利用するが現実的です。

実際に、エキスパートメールも2016年10月に、固定IPプランをなくして共用IPで送信するようになっています。

3.SPF、DKIM(ドメインキー)ってなに?

メール送信サーバーと送信者アドレスのドメインを紐付ける技術として、SPFとDKIM(ドメインキー)があります。送信元の偽装を防ぐために使われていますので、メルマガを配信するときもSPFとDKIMの設定が必須です。

正しく設定するためには、サーバー側とDNSレコードの両方の設定が必要になります。まともなメール配信サービスであれば設定手順のマニュアルがあるはずですのでそちらをご参照ください。

前述のエキスパートメールでは、ユーザーごとにドメインを取得して設定済みの状態で渡すという方針を取っていましたが、最近ではドメインを持ち込むことができるようになっています。

ちなみに、SPFとDKIMとは別にDMARCというドメイン認証技術もあります。

4.フリーメールを送信者アドレスに使ってはいけない理由

よくある失敗として、送信者アドレスにgmailなどのフリーメールのアドレスを設定してしまうというものがあります。

このようなアドレスのドメインはSPFとDKIMを設定することができませんので、送信元を偽装している状態になります。メルマガが届かなくなるか、迷惑メールに振り分けられる可能性が高いです。

DNSレコードを設定できる独自ドメインで、発行者用のメールアドレスを用意した上で、SPFとDKIMの設定を行いましょう。

5.もし迷惑メールに振り分けられる場合は…

ここまで紹介したような条件を満たしていても、迷惑メールフォルダに自動的に振り分けられる可能性は残ります。技術的な問題ではなくて、メールの内容の問題です。

メールサービスによって仕組みは違いますが、

  • 迷惑メールボタンを押す
  • 他のSPAMと同じような文面が含まれている
  • 同じ配信者からのメールが何通も未開封のまま

などの状況で、迷惑メールに振り分けられてしまうようになります。ですので、ブログ等と同じで良いコンテンツを作るというのが大事になってきます。

中島たくみち

1985年生まれ 長崎県出身。コンテンツ販売やマーケティングのためのツールを開発しています。

この記事へのコメント

  1. こんばんわ。
    中島さんが使われているメールサービスsendinblueいる興味があります。
    sendinblueについての解説や、もしくは講座などはございませんでしょうか。

    1. コメントありがとうございます。

      sendinblueを使ってみた感じですが、最初のセットアップ作業さえ完了すれば、割りと簡単に使える印象です。(Automationなどまだ使いこなしていない機能もありますが)

      ただ、現状だと日本語の情報はほとんどないので、公式のチュートリアル(英語)を見ながら作業を進めるしかなさそうです。

      最初のセットアップ作業については、こちらのページ内の動画が分かりやすいのではないかと思います。
      https://help.sendinblue.com/hc/en-us/articles/209408165–Why-has-my-SendinBlue-account-not-been-validated-yet-

      少しでも参考になれば幸いです。

      1. 中島さん

        突然のコメントにも関わらず、お返事ありがとうございます!
        やはり英語が大きな関門です……

        同じようなサービスのmailchimpとは違い、日本ではまだあまり浸透していないので手探りですが、逆にうまく使えればオーソリティ的ポジションにもなれるだろうかという目論みをもっています。

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