
「WooCommerce」や「Easy Digital Download」などを使ってWordPressで商品販売を行う場合は、SSLに対応させる必要があります。いわゆる、httpsではじまるURLですね。
正確に言うと、SSLを使わなくても販売サイトを構築すること自体はできます。ですが、お客様の個人情報を扱う以上はSSLで暗号化しておくのは当然です。
さらに、次のよう条件も満たす必要があります。
- WordPressが高速に動作すること(安いサーバーだと遅くなりやすい)
- 自動バックアップ(トラブルが起きたときにすぐに戻せるように)
このような条件で考えると、通常のレンタルサーバーではなく、wpXのようなWordPress専用のサービスが選択肢に入ってきます。
今回、wpXクラウドでSSL化したWordPressを構築してみましたので、この記事ではその手順を紹介します。
wpXレンタルサーバーとwpXクラウドの違い
「wpXレンタルサーバー」と「wpXクラウド」の2種類のサービスがあります。機能的にはほぼ同じなのですが、料金体系が違っています。
「wpXレンタルサーバー」は、一律の月額料金で、複数のWordPressを設置することができます。一方、「wpXクラウド」は契約ごとにWordPressを1つしか設置できません。そして月額料金にもグレードが設定されています。
ちなみに、どちらもSSLを使うのに別料金はかかりません。
「wpXレンタルサーバー」は初期費用がかかりますが、将来的にWordPressをいくつも設置するようなら、「wpXクラウド」よりも割安になりそうです。もしWordPressを1つだけでよければ「wpXクラウド」を選ぶことになります。ですが、今回は試しに使ってみるだけですので、「wpXクラウド」を選択しました。
サーバーの申込み
「wpXレンタルサーバー」と「wpXクラウド」のどちらを使うかを決めたら、公式サイトから申し込みます。サイトの上部からサービスページを切り替えることができます。間違えないようにしましょう。
メールアドレスを入力すると、確認メールが届きます。メールに記載されているURLからアカウント登録に進みます。無料体験期間がありますので、クレジットカード番号の入力をしないまま試用をスタートできます。
登録が完了したら、すぐに管理パネルにログインできるようになりました。
SSL対応のWordPressをセットアップする
管理パネルにログインしたら、左側のメニューから「新規インストール」をクリックします。そして、WordPressのセットアップに必要な情報を入力していきます。
独自ドメインを使用する場合は先に「ドメイン追加設定」の画面で追加しておきましょう。今回は共用ドメインのままSSL化してみます。
SSLを使うには「独自SSLを利用する」にチェックを入れるだけです。その下に表示される「https://へのリダイレクト設定を有効にする」は、htttpでアクセスされた場合に自動的にhttpsに切り替わるようになるので、チェックを入れておくことをおすすめします。「CSR情報を入力する」の方は任意だそうなので、どちらでも大丈夫です。
確認画面に進んで、「確定」ボタンをクリックします。
ログイン用のパスワードが表示されました。一度しか表示されないので、すぐにパスワードをメモしておきましょう。(最悪、あとでパスワードリセットできますが)
10分ほど待つと設定が完了して、作成したWordPressのサイトにアクセスできるようになりました。
キャッシュの設定
最初からキャッシュが有効になっています。WordPressプラグインを使わずに、管理パネルのほうで設定ができます。通常は、初期設定のままで大丈夫そうです。
キャッシュの対象外のURLも設定できます。「WooCommerce」や「Easy Digital Download」のカート画面がある場合は、ここで対象外のURLを設定した方がよいかもしれません。
自動バックアップ
自動バックアップも最初から設定されています。
ですが、ここで注意したいのはMySQLだけがバックアップ対象になっているということです。アップロードした画像やプラグイン・テーマなどの各種データのバックアップは別料金となっています。
表示速度のテスト
ダミーデータを入れた状態で、Site24x7で表示速度を計測してみました。0.428秒で表示完了していて、非常に良好です。WordPressをインストールした直後のデータではありますが、表示速度については全く問題無さそうです。
まとめ
以上の通り、SSLの設定も簡単で、初期設定のままでも高速なWordPressサイトを構築することができました。必要な機能も揃っているので、販売サイトなどのビジネス目的でも十分に活用できそうです。
唯一残念だったのが、全データを自動バックアップするためには別料金(5,400円)が必要なことです。MySQLのデータだけだと一発で完全に復元することができないので、どう運用していくかを考える必要があります。