
自分の商品の魅力を短い言葉で伝えることはすごく重要です。長々と説明しようとしても、誰も聞いてくれません。エレベーターに乗り合わせたときのような短い時間でも伝わるメッセージを用意しておく必要があります。
とはいえ、この短いメッセージにまとめる作業が難しいものです。他社の出来上がったキャッチコピーには「もっとこうした方がいいんじゃないか」と言えたとしても、いざ自分の商品となると上手く言葉が出てこなかったりします。
実際のところ僕も、メッセージをしっかりと作り込まないままセールスレターを書き始めてしまったことが何度もあります。当然、文字数が多いわりになんだかピンとこないものに仕上がってボツになりますよね(笑
というようなことを考えていたら、ライアン・ダイス氏が無料の動画講座でメッセージの作り方が解説されていました。非常に良い内容なので、かいつまんで紹介してみたいと思います。
30秒セール・スピッチ
今回紹介するのは「ミニ講座:パーフェクト・オファーの3ステップ」の一部になります。3本の動画で構成されているうちの「ビデオ1:30秒セール・スピッチ」です。セールス・ピッチとはセールス・トークのことだと考えて良さそうです。
もっと詳しく知りたい方や実際の雰囲気を感じたい人はメールアドレスを登録して動画をご覧いただければと思います。
話し手は、ライアン・ダイス氏。NativeCommerce.comとDigitalMarketer.comの創業者です。
パーフェクト・オファーとは?
まずはシリーズ全体の説明で、「パーフェクト・オファー」の作り方について解説していくとのことです。
パーフェクト・オファーを作れば、「いいから俺の金を持ってけ!」と言われるような状況になるそうです。そんなことありえるのでしょうか?
その具体例として…
新型iPhoneの発売にできる行列、
クラウドファンディングのKickstarterで大量に資金が集まっているプロジェクト、
ブラックフライデーセールが挙げられています。
パーフェクト・オファーを作りさえすれば売れる。そのためには、心理テクニックとか強い売り込みは必要ないとのこと。
では、そのパーフェクトオファーとは何なのか?という話ですが…
正しい商品を、正しい価格で、正しい相手に、正しいメッセージと、正しいタイミングで届けること…と定義されています。
なんだか難しそうな話になってきましたが、この中の「正しいメッセージ」を作るというのが「ビデオ1:30秒セール・スピッチ」のテーマになります。つまり、ここからが本題ですね。
誰もが買っているもの
さてさて、一体何を言えば、見込み客が「お金を払わせて下さい」と言い出すでしょうか?
誰もがいつも買っているある大きなものがあるそうです。それは何かというと…
TRANSFORMATION=変化
えんぴつであれ、原子力潜水艦であれ、どんな商品であってもお客さんは「変化」を買っているというわけです。
よくできたセールスメッセージは、古い状態から新しい状態への変化を表現しています。ですので、見込み客の現状と理想の状態を言葉で表現することが重要になってきます。
変化を表現した例として、AppleのCM「1984」が紹介されていました。誰もがスキンヘッドのディストピア的世界で、ヒーローが現れてハンマーを投げるという内容です。マッキントッシュは全く映像に出てきません。ただ、変化を表現しているだけです。
とは言っても、このCMを参考にするのは難しいかもしれません。それよりも、これから出てくる事例を見てみましょう。
変化を表現したキャッチコピーの事例
個人送金サービスのPLASTICのメッセージはシンプルです。
小切手はもう切らない
ベビーシッターにクレジットカード払いを受けつけていないとしても、カードで払う
支払いの手続きが面倒でフラストレーションを感じるような状況を変えるというのがイメージできます。画像の女性もコーヒーを飲んでリラックスしていますね。
次の事例は、BrandYourselfです。
雇い主やクライアント、デート相手があなたの名前でググったときに良く見せよう
名前で検索した時に変な情報が出てくるのが怖いというという状況はなんとなく想像できます。
続いて、TrueConversion。
売り上げを倍にするのは簡単です。お客さんが何を欲しがっているのか正確に知ることができれば。
リサーチしてくれるサービスですが、その結果何が起きるのかということを表現しています。
個人的に気に入ったのが、1-800-GOT-JUNK?です。
ガラクタにさようなら。新しい生活にこんにちは。
シンプルですが、具体的なイメージが膨らみます。背景の動画で、奥さんが喜んでる様子もいいですね。
「30秒セール・スピッチ」の公式
では、具体的にどうすればこのようなメッセージが作れるのでしょうか? そのやり方が穴埋め式で解説されています。
[前の状態]の時って[感情]だよね。
[強調する: ex. 私もそうだった / そうだね / 〜は本当にそうだよね / など]
だから、私/私達は【商品名】を作ったんだ。
[所有感をかもしだす: ex. 一度でも使うと / 完了すると / クライアントになると / メンバーになると]、あなたは[後の状態]になるよ。
前半では以前の状態がどういうものなのか、そして後半では商品を使うとどうなるのかを書きます。このようにして情報を整理することで、キャッチコピーが浮かんでくるのではないでしょうか。
メッセージを作るときのチェックリストとして4項目挙げられています。
- 見込み客がおかれている状態(すなわち、前の状態)を認識して、伝わる言葉を使っていますか?
- 見込み客が目指している状態(すなわち、後の状態)について言葉を使って、理想を言えばビジュアルを使って伝えていますか?
- 強調して、価値のあるガイドを示していますか?
- すぐに、と言いすぎていませんか?
以上です。要約のつもりが思ってたより長くなってしまいました^^
動画講座自体はまだ2本残っていますが、まずはこの1本目の「30秒セール・スピッチ」ができなきゃ進めません。
情報を整理して、この商品を手に入れるとどうなるのかを簡潔に表現するという作業は、セールスレターを書いたり広告文やバナー画像を作る前に絶対にやっておくべきことだと思います。ぜひぜひ参考にしてもらえれば幸いです。