
「これからセールスレターの書き方を勉強します」という人を見かけると、「今なら、ビデオセールスレター(VSL)の作り方を覚えたほうが良いよ!」とつい言いたくなってしまいます。
実際、英語圏のサイトを眺めていると、かなり頻繁にVSLを見かけます。ヒットしてる商品に限って言えば、「縦に長いセールスレター」を探すのが難しいくらいです。2010年台になってからVSLが一気に流行りはじめて、今となっては「縦に長いセールスレター」はもはや古臭いものになっているのです。
というわけで、今回はVSLについて解説してみます。
VSLとは何か?
そもそも、VSLとは何かという話なのですが、Video SalesLetterの略で…ものすごく簡単に言ってしまうと、動画形式のセールスレターということになります。
え? この説明だと、ざっくりすぎる??
ですが、動画形式だということが、これまでのセールスレターとの最大の違いです。極端な話、縦長のセールスレターの文章を読み上げて動画にしたら、VSLになります。もちろん、よりコンバージョン率の高いVSLを作るためにはいくつかのコツがあるわけですが…それはさておき、まずは実際に事例を紹介しましょう。
VSLの海外事例
事例:Every Other Day Diet
VSLの成功事例として有名なジョン・ベンソン氏の「Every Other Day Diet」です。当初は文字と音声だけのかなりシンプルなVSLでしたが、現在はホワイトボードアニメーションになっています。
事例:The CB Passive Income
ネットビジネス系の「The CB Passive Income」という教材のVSLです。プレゼンテーションソフトで作られています。
事例:Youzign 1.0
こちらは「Youzign」というマーケッター向けデザインツールのVSLです。オープニングの映像のクォリティが高いです。
VSLのメリット
「縦に長いセールスレター」と比べて、VSLにはどんなメリットがあるのかというと…
作るのが簡単な割に、コンバージョン率が高いこと
だと考えています。
「動画を作るのって大変なんでしょ?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。もちろん、プロ並の格好いい動画を作ろうとすると大変です。ただ、VSLに場合は、文字が表示されて、それを読み上げていくだけのシンプルな動画でも十分に効果を発揮します。
そんなシンプルな動画を作るには、プレゼンテーションソフト(PowePointやKeynote)を使うのが一般的です。スライドを作って、マイクで録音すれば、あとは動画として書き出すだけです。
ですので、しっかりとデザインをしてLPとして作りこまないといけない「縦に長いセールスレター」と比べると遥かに簡単に作ることができます。作業にかかる時間も、半分以下になるでしょう。「縦に長いセールスレター」を一週間で作れる人なら、VSLは3日で出来上がと思います。
そして、コンバージョン率も、「縦に長いセールスレター」より高い数値が出やすいです。
VSLのコンバージョン率が高い3つの理由
理由1:声だとすんなり頭に入ってくるから
「縦に長いセールスレター」の場合は、何千文字とか何万文字もの文章があるわけですが、一字一句逃さずに読んでもらうというのは難しいです。もし、一字一句読んでくれる人がいるとしたら、購入する意欲が高い方だと思います。それ以外の人は、途中で読むのをやめて離脱してしまうわけですね。
ですので、セールスレターのコンバージョン率をあげようと思ったら、いかにして途中で離脱されないようにすることが大事になってきます。
VSLの場合は声を使って伝えます。文字を読むのに比べると、話を音声として聞くほうが遥かに楽ですね。同じような内容だったとしても、文章よりも声のほうが、理解するためにエネルギーを使いません。すんなりと頭に入ってきます。
それと、ほとんどのVSLでは、声と同時に文字も表示します。「声だけで十分ではないか」と思う方もいるかもしれませんが、声と文字の両方を使うというのも、理解しやすくするためのしかけです。
小学校とか中学校の授業で、教科書を音読というのがあった思います。先生が誰か一人を指名して、教科書を読んでもらいます。そして、それ以外の人は、声を聞きながら、教科書の文字を目で追いかける…なぜこういうことをするのかというと、そのほうが頭に入ってくるからです。
それと全く同じように、VSLでも、声と文字の両方を使うことで、理解しやすくなります。
理由2:読み飛ばしを防げるから
「縦に長いセールスレター」の場合は、必ずしも上から順番に読んでもらえるとは限りません。途中で読み飛ばして、先に言ってしまうということがよくあります。特によくあるのが、読んでいる途中で「この商品はいくらなのか?」ということが気になって、下の方までスクロールして価格を確認してしまう、というパターンです。
ですが、コピーライターは、どんな順番で伝えるかということを意識しています。分かりやすいところで言うと、期待をどんどん高めていって、その商品を手に入れたいと思わせてから、価格を発表します。けっして安い価格ではないとしても、期待が高まっているからこそ、購入に繋がるわけです。こういった順番のことを「セールスプロセス」と言います。
それなのに、読み飛ばしをされてしまうと、せっかく考えぬいた「セールスプロセス」が、意味のないものになってしまうわけですね。そこまで極端ではなくても、読み飛ばしをされることで、狙った通りの効果を発揮できないということがよくあります。
それに対して、VSLの場合は、こちらの狙った通りの順番で見てもらう事ができます。動画なので、再生がスタートすれば、あとは自動的に進んでいきます。
そして、スキップされてしまうのを防ぐために、コントロールバーを表示しないことが多いです。コントロールバーというのは、普通は、動画の下に表示されている横長のスライダーのことです。シークバーと言われることもありますね。これを意図的に表示しないことで、スキップできずに、順番通りに見るしか無いという状況を作り出せます。
このように、狙った通りのセールスプロセスを実現できるからこそ、VSLは高いコンバージョン率が出せるわけです。
理由3:売り込みではなく、コンテンツに見えるから
VSLのページは動画がメインになるわけですけど、パッと見で、売り込みには見えないという特徴があります。なにかの無料コンテンツのように見えます。実際、動画の中にハウツーコンテンツを含ませるというのは、非常に有効な手です。コンテンツに集中してみていたら、途中からセールスに切り替わる、なんてことができるわけです。
この話は、「縦に長いセールスレター」にも言えることなのですが、やはり売り込みだと分かっていると、なかなか見てもらえません。コンテンツだと思わせることができれば、最後まで見てもらえる確率も高まります。その結果、コンバージョン率も高まるわけです。
現在、特に日本のマーケットでは、VSLというのは目新しい手法です。パッと見で売り込みだとは思われません。だからこそ、非常に高いコンバージョン率が実現できるわけです。
VSLの3つの基本要素
要素1:ヘッドライン
「縦に長いセールスレター」でも、ヘッドラインはかならずあるのですが、基本的にそれと同じだと思って下さい。ヘッドラインというのはページを開いた人に、パッと見で目を止めて、興味を持ってもらうためのものです。特にVSLの場合は、動画を見てもらうためにヘッドラインがあります。
要素2:動画
動画がVSLの一番のキモになります。動画は色々な作り方がありますが、定番なのは、文字が出てきてそれを読み上げていく動画です。ところどころで画像がはいることはありますが、基本的に文字と声だけの動画です。商品の紹介も、動画で行います。
要素3:申し込みボタン
申し込みのボタンです。動画のすぐ下に配置してあります。動画を見て、商品を申し込む人がクリックするためのものです。クリックすると、決済画面を表示します。申し込みボタンを時間差表示にすることもあります(後述)。
売れるVSLを作るためのポイント
ポイント1:ページを開くと動画を自動再生
それと、もうひとつ、動画プレイヤーの設定で強くおすすめしているものがあります。それが、「動画の自動再生」です。ページを開いた時に、再生ボタンをクリックしなくても、自動的に動画がスタートするようにすることです。
当然、VSLは動画がメインですので、ページを開いたらすぐにでも動画を見て欲しいわけです。そこで、クリックしなくても動画が自動的に始める設定が必要になります。
ポイント2:コントロールバーを非表示
通常、Youtubeなどの動画を埋め込んだ場合は、コントロールバーが表示されます。コントロールバーというのは、動画プレイヤーの下側にあって、マウスを重ねると表示される横長のバーのことです。
VSLではこのコントロールバーを表示しないようにすることをおすすめします。コントロールバーを表示しないことで、動画をスキップできなくして、順番通りに見るしかないという状況を作り出せます。
これま色々なマーケッターがテストをしているんですけど、コントロールバーを表示するかしないかでA/Bテストをすると、表示しない方が明らかにコンバージョン率が高いという結果が出ています。
コントロールバーが表示されてると、ついついスキップをして、動画の先の方を確認してしまうほうが多いです。それよりも、最初から順番に見てもらったほうが、動画に集中した状態になります。むりやりにでも、そういった状態を作り出すために、コントロールバーを表示しないという設定が効果的という結論になります。
ポイント3:申し込みボタンを時間差表示
VSLでは「申し込みボタンの時間差表示」が使われることがあります。
時間差表示というのはどういうことかというと、ページを最初に開いた時点では、申し込みボタンを表示しないということです。そして、VSLの動画を再生し続けて、商品の紹介するタイミングで、申し込みボタンを表示します。そういう風に時間差で動くJavaScriptを仕込んでおきます。
これの何が良いのかというと、パッと見で、売り込みではなくて動画コンテンツに見えるってことです。ボタンが無いことで、セールスっぽさを消すことができます。その結果、動画を見てもらえる確率が高まります。
一般的に、動画を使うことで、縦長のセールスレターよりも見て貰える確率は高まります。とは言っても、あきらかにセールスのための動画が始まると分かっていると、見る気をなくしてしまう人もいます。そこで、最初はボタンを時間差で表示することが、コンバージョンアップに繋がるわけです。
最後に
ここまででVSLの概要をお伝えしてきました。いかがだったでしょうか?
繰り返しになりますが、VSLは「縦に長いセールスレター」よりも簡単に作れて、しかも高いコンバージョン率が期待できる方法です。ぜひあなたの商品やサービスを販売するときに活用していただければと思います。
もしあなたが、さっそく試してみようと思うのなら、VSLの作り方をこちらで解説しています。